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映画

#72 映画の部屋#4の(2) 4人が出会った奇跡 「グッドウィル・ハンティング 旅立ち」 後編

ミラマックスで最初に監督候補になったのは、なんとメル・ギブソンです。何か月か話し合いを続けましたが、いっこうに進展の様子はありませんでした。

 

結局はガス・ヴァン・サント監督のところに話がいきました。ウィルの仲間のひとりを演じるベンの弟、ケイシー・アフレックは、すでに同監督とは『誘う女』でも組んでいました。本当はこの映画のドキュメンタリーを撮ることを希望していましたが、監督のリクエストで仲間役を演じることになったのです。

 

ウィルの恋人となるスカイラー役は、個性的な演技派のミニー・ドライバーが候補に上がり、マット、ベン、監督の3人は賛成しましたが、製作者のワインスタインだけは反対したといいます。

 

人物の設定に関しては、何度かリライトもあり、ヴァン・サントは、ベン演じるチャッキーが工事現場で亡くなる設定や、ウィルがドライブの途中で事故死という設定も考えましたが、このアイディアは不採用となりました。

 

また、映画のエンディングのアイディアは実はテレンス・マリック監督から出されたものでした。ベンが以前から彼と知り合いで、シナリオ執筆中に相談をしたら、「女性が途中で去って、男がそれを追う方がいい」と助言されたといいます。

 

数学の描写に関しては、ハーバード大学やMITで実際に教鞭をとる教授たちに助言を受けてより正確な内容にしていったといいます。

 

それまでまともな教育を受けていなかった青年が数学の数式で驚異的な才能を発揮する、という設定が現実とかけ離れているという声もあるようですが、実は20世紀初頭のインドにはシュリニヴァーサ・ラマヌジャンという、埋もれていた数学の天才児が実在したのです。

 

劇中ではランボー教授(ステラン・スカルスガルド)がウィルの才能を見出し、友人ショーンに相談をする場面があるが、そこでひきあいに出されるのがラマヌジャンの話です。

 

ラマヌジャンは正規の教育を受けていませんでしたが、すぐれた直感で様々な定理を発見し、ケンブリッジ大学のゴッドフレイ・ハロルド・ハーディ教授に発見され、イギリスに渡ります。

 

実はこの物語はジェレミー・アイアンズ(ハーディ教授)とデヴ・パテル(ラマヌジャン)の主演で『奇蹟がくれた数式』(16)として映画化されています。

 

ロバート・カニ―ゲルの著書「無限の天才/夭折の数学者・ラマヌジャン」(91年刊行)が原作です。『グッド・ウィル・ハンティング』よりさらに渋い仕上がりのイギリス映画ですが、主演ふたりの好演が光る見ごたえのあるドラマになっています。

 

映画では、MITで掃除人として働く孤児のウィルがランボー教授に才能を見出され、彼の数学のレッスンとショーンの精神分析を受けながら、DVに苦しめられた過去の苦い体験を乗り越え、自分の殻を破り、新しい自分に生まれ変わっていきます。

 

妻を失って喪失感を抱えていたショーンとの葛藤や、ハーバード大学の実直な女子大生、スカイラーとの不器用な恋、工事現場で働く仲間、チャッキーとの友情など、いくつかの要素が盛り込まれ、青春時代のキラめきや痛みが描かれます。

 

物語そのものは、目新しいわけではないのですが、それでも、この映画が製作後20年以上を経ても、心に響くのは、ひとつにはマット・デイモンやベン・アフレック、ケイシー・アフレックの若き日の思いが、役と重なってみえるせいかもしれません。

 

当時の彼らは無名でしたが、成功したいという情熱を胸に秘めていました。そして、シンガー・ソングライターのように、その思いを生々しく自作自演してみせました。マット・デイモンは、以前、イギリスのBBCラジオ番組に出演し、「当時のことをどう思いますか?」という質問にこんなコメントを返しています。

 

「この映画のシナリオを書き始めたのは、僕が22歳ベンが20歳の時だった。でも、完成した時、僕は27歳、ベンは25歳になっていた。書いている時は、本当に先が見えず、成功できるかどうかも、分からなかったが、この作品で人生が大きく変わり、今も尾を引いている。これほど大きなインパクトを人生にもたらす作品には出会いないだろう」

 

この映画の脚本はアカデミー賞のオリジナル脚本賞を受賞して、マットとベンは一躍、時の人として脚光を浴びました。

 

その後、マットは『ボーン・アイデンティティ』(02)シリーズでアクション・スターとしても成功し、ベンは監督作『アルゴ』(12)でアカデミー作品賞を受賞。ケイシー・アフレックはマットが製作した『マンチェスター・バイ・ザ・シー』(16)でアカデミー主演男優賞を獲得しています。

 

この映画で初のオスカー候補となった監督、ガス・ヴァン・サントはマット・ディロン主演の『ドラッグストア・カウボーイ』(89)、リヴァー・フェニックス、キアヌ・リーヴス主演の『マイ・プライベート・アイダホ』(91)、アマチュアの若い俳優たちを起用した『エレファント』(03)などでも、少年から大人へとなっていく青年たちの、繊細で揺れ動く心理を見事に描写していました。

 

そんな演出力が生かされることで、心を閉ざした天才児、ウィルの複雑な心理がビビッドに伝わります。

 

青年たちの繊細な心理を託したエリオット・スミスの音楽も忘れられません。彼はガス・ヴァン・サントがこだわる街、ポートランドをベースにしたシンガー・ソングライターです。

 

94年にインディーズ系のミュージシャンとしてデビューしましたが、監督は以前から彼のファンで、『グッド・ウィル・ハンティング』の音楽を依頼しその結果、主題歌「Miss Misery」が完成して、この曲はアカデミー主題歌賞候補にもあがりました。

 

98年のオスカーの授賞式には、スミスが白いスーツ姿で登場してこの曲を歌いましたが、それまで華やかなショービジネスとは無縁で、暗い顔をした彼のステージには、奇妙な違和感があり、今でも「オスカー史上最もシュールな歌唱場面」と語り草になっています。

 

彼の代表作のひとつといわれる3枚目のアルバム「Either/Or」(97年発表)からは3曲が使われました。

 

恋人たちのデートの場面で流れる「Say Yes」、ふたりのベッドでの会話にかぶる「Between The Bars」、ウィルが恋人に電話する場面で流れる「Angeles」など心にしみる名曲が揃っています。

 

また、最初のアルバム「Roman Candle」(94年発表)収録の「No Name#3」はウィルたちが酒場を出て朝帰りする場面に流れ、舞台となるボストンのストリートの風景と重なることで、独特の雰囲気が生まれていました。

 

この映画をきっかけにメジャーな存在となったスミスは、その後、大手のレコード会社、ドリームワークスに移籍して「XO」(98年発表)、「Figure8」(00年発表)といった傑作アルバムを作り、よりポップで、広がりのある美しいサウンドを聞かせています。

 

ザ・ビートルズに通じるポップな音作りもできる才人ですが、『グッド・ウィル・ハンティング』に登場する曲はどれもアコースティックで生々しく、青春の痛み、悲哀感があり、ウィル自身の孤独な心情と重なります。

 

ただ悲しいのは、映画の完成から6年後の03年、エリオットが34歳で自ら死を選んだことでしょう。

 

その後、作られたドキュメンタリー『ヘヴン・アドアーズ・ユー~ドキュメンタリー・オブ・エリオット・スミス』(14)の中で、生前の彼は語り草となっていたオスカーの舞台でのシュールな体験を語っていました。

 

「僕としてはおもしろかった。ずうっとあの世界にいたいとは思わないが、あれはあれで楽しんだ」

 

今、この映画を振り返ってみると、ロビンやエリオットは自ら死の世界に旅立ってしまい、製作者のワインスタインも映画界にはいません。

 

しかし、マット、ベン、ケイシーといった男優たちは今も活躍中です。この作品ではブレイク前の初々しさを見せることで、その青春の描写が説得力あるものになっているのです。

 

絶妙のタイミングで、俳優兼脚本家、監督、製作者、ミュージシャンらが出会うことで、不滅の輝きを持つ1本の映画が残されたのです。😊

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