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社会

いったい日本はどれほど農薬を使っているのだろうか

2018年に出た北海道大学の池中良徳准教授らによる論文。その論文には、日本人なら毎日のように飲んでいるお茶から、農薬が検出されたと書かれてあったのです。

 

それも、スーパーやドラッグストアで購入した茶葉39検体の全てから出ただけではなく、量は少ないですが、ペットボトルのお茶からも全て検出されたというのです。

 

もっとも、数値は国が設定した残留基準値内なので、違反ではありません。「だったら安全だよね?」と思うかもしれませんが、実はそうとも言えないのです・・・

 

いったい日本はどれほど農薬を使っているのでしょうか?

 

単位面積当たりの農薬使用量をOECD加盟国で調べてみると、なんと日本は、韓国と並んで農薬の大量使用国であることがわかったのです。

 

ただもっとも、実質トップはOECDに加盟していない中国ですが、数値に大きな差があるわけではありません。

 

農薬が本格的に使われるようになったのは戦後です。最初はDDTなど有機塩素系が使われていました。やがて1960年代に入ってその毒性が明らかになると、それと入れ替わるようにして有機リン系殺虫剤が登場しました。

 

ところが、これが子供の脳に影響を与えることがわかり、EUなどは早々にその多くを禁止しましたが、なぜか日本では今も大量に使われている現実があるのです。

 

そして90年代に登場したのが、昆虫に強い神経毒性を持つネオニコチノイド系農薬(以下、ネオニコ)です。ネオニコが使われると世界各地でミツバチが群れごと消えて問題になりましたが、やがて人間の脳にも影響して神経伝達を攪乱する神経毒性があることが分かり、使用を禁止する国が相次いだのです。これも日本は禁止するどころか、さらに残留基準値を緩和して使いやすいようにしているのです。

 

なぜ世界に逆行して日本は農薬の使用を増やそうとするのでしょうか?その理由はいくつか考えられます。

 

まず消費者が、虫食い痕やキズのない野菜を求めるため、農家もそれに合わせて農薬を使うからです。

 

さらに政府が経済を優先するせいか、残留基準値を緩めても厳しくすることがないためです。おそらくアメリカに言われるまま基準値を変えるのもそのせいなのかもしれません。

 

そして、最も最大の理由は、それに対して、「国産だから安全」を鵜呑みにした国民が、「これはおかしい」と声を上げないことなのかもしれません。文句を言わないから、政府も安易に基準値を引き上げるのです。

 

農薬には様々な種類があり、出荷量を調べると(土壌消毒剤を除いて)殺虫剤より除草剤が多く、グリホサートが全体の六割超を占めます。

 

これは、除草剤「ラウンドアップ」の主成分で、あらゆる植物を枯らしてしまうことから、農家が「枯葉剤」と呼んでいるものです。実際、この農薬を開発したのは、かつてベトナム戦争で枯葉剤の製造に関わったモンサント(現在は買収されてドイツのバイエル傘下)です。

 

ちなみに、最近の研究からは、製剤のラウンドアップの毒性は、その主成分であるグリホサートより100倍も強いと分かってきましたが、なぜか安全性試験ではグリホサート単独の毒性しか調べていないのです。そのデータで残留基準値が決められているのです。

 

私たちの口に入るのはラウンドアップですから、毒性が100倍も変わるなら、基準値は必ずしも安全とはいえないのです。

ラウンドアップは、これまでの農薬の害と同じで発がん性が大きな問題になっています。

 

例えば、アメリカ人が摂取する量から換算したラウンドアップをラットの一生に相当する2年間与え続けると、オスは肝臓や腎臓に、メスは乳腺に大きな腫瘍が早期にできたというフランスの実験もそうです。

 

2015年には、WHOの外部研究機関である国際がん研究機関(IARC)も、グリホサートの発がん性リスクを、五段階のうちの二番目に高いグループに分類しましたが、欧州食品安全機関(EFSA)や米国環境保護庁(EPA)は否定して混乱が続いていました。

 

しかし、2017年にカリフォルニア州が発がん性物質に加えたことで流れが変わったのです。
これを契機として、製造会社のモンサントが訴えられる事例が相次ぎ、2018年には、なんと約320億円もの賠償金の支払いを命じられ、その後もドミノ倒しのように敗訴したのです。

 

日本はいったいどれだけ農薬を使うのでしょうか・・・

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