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経済

巨大テック企業の“5番目の騎士”

マイクロソフトが音声認識大手のNuanceを総額200億ドル近く(2兆円超)で買収すると、2021年4月12日(米国時間)に発表しました。表向きはマイクロソフトの医療サーヴィス分野の強化が理由です。

 

しかし、Nuanceは長年にわたって人工知能(AI)分野のリーダーであり、アップルが「Siri」を立ち上げた際に支援したことでも知られています。このため今回の買収は、巨大テック企業が巨額の資金を注ぎ込んで他社の技術を市場から排除して自社の巨大な船団の一員にしてしまうという、ごくありふれた事例のひとつだと考えたほうがいいでしょう。

 

このニュースを聞いたとき、特に監視が必要とされる巨大テック企業のグループに、なぜマイクロソフトはたまにしか含まれないのだろうか、と疑問を感じます。一般にそのような巨大テック企業は「四騎士」と呼ばれています。

 

2020年の夏に米議会で開催された反トラスト法の公聴会では、四騎士の最高経営責任者(CEO)であるマーク・ザッカーバーグ、ジャック・ドーシー、スンダー・ピチャイ、ジェフ・ベゾスの顔がZoomの画面に並びました。

 

巨大テック企業の力にものを言わせた強硬な手口を概説した膨大な報告書を米連邦議会下院の超党派委員会がまとめたのですが、この中で4人のCEOはそれぞれ厳しい批判に晒されました。これに対してマイクロソフトの影響力については、主に過去形で語られたのです。

 

巨大テック企業について語られるとき、フェイスブック、アップル、アマゾン、ネットフリックス、グーグルの頭文字を並べた呼称「FAANG」が使われることがあります。(日本ではネットフリックスを除く4社を「GAFA」と呼ぶことが多い)。

 

なぜネットフリックスなのでしょうか?

 

耳障りのいい通称を見つけるのは、アルファベットを入れ替えて単語をつくる言葉遊びゲームに任せるとしても、間違いなく「N」は「M」であるべきでしょう。つまり、マイクロソフトは5番目の騎士なのです。

 

マイクロソフトの時価総額は2兆ドル(約217兆円)に近づいています。2兆ドルを超えているのはアップルだけです。

 

マイクロソフトは競合するすべての分野で優位に立っているわけではありませんが、ゲームとクラウドサービスの数少ない主要企業のひとつであり、ビジネス生産性ソフトウェア分野では明らかにリーダー格です。マイクロソフトは独占企業では決してないと主張するかもしれませんが、公式に独占企業と認定された唯一の企業であることに変わりはないのです。

 

1990年代にマイクロソフトはその権力を不法に乱用したとして提訴され、連邦地裁で反トラスト法違反が認定されました。結果的にマイクロソフトは、Windowsを中心にした会社と、Officeを主力製品とした会社に分社化することが命じられたのです。

 

しかし、その分社化は実行されることはなかったのです。マイクロソフトは上訴し、最終的には分社化と比べて負担のかなり小さい救済策で和解したのです。

 

こうしてマイクロソフトはコンピューターOSの分野だけでなく、PCの生産性分野においても依然として市場を支配しています。世の中がモバイルに移行したことでこれらの分野の重要性は低下しましたが、それでもマイクロソフトはCEOのサティア・ナデラのリーダーシップの下でサービスを拡大していき、WindowsとOfficeの影響力を維持することに成功し、見事な復活を遂げました。

 

かつては、「800ポンドのゴリラ」と呼ばれていたマイクロソフトには、いまでも強烈なパンチ力があるのも事実です。例えば、革新的な業務効率化ツール分野のライバルであるSlackに対して、同社は断固立ち向かいました。

 

有料版のSlackに対抗して、「Microsoft Office」でSlackと類似した独自製品「Microsoft Teams」を無料で提供したのです。

 

これに対してSlackは、2020年の夏にマイクロソフトを欧州連合(EU)に提訴しています。Slackの顧問弁護士はマイクロソフトのやり方は「独占禁止法違反の典型的な事例」であると説明したのです。

 

これはマイクロソフトが、かつての「ブラウザー戦争」中に使った戦術と不気味なほど似ています。ブラウザー競争では、マイクロソフトを提訴したネットスケープは最終的にAOLに安値で売却されました(マイクロソフトは2012年、AOLからネットスケープの特許を買い取り、争いに終止符を打っています)。

 

今回、SlackのCEOであるスチュワート・バターフィールドは白旗を上げ、Slackをセールスフォースに売却しました。マイクロソフトはTeamsの成功の理由は同社の市場支配力ではなく、単に優れた製品だからだと言うかもしれません。しかし、果たしてそうなのでしょうか?

 

マイクロソフトはまた、ビジネスソフトウェアの部外者が今でもIPOによって富と栄光を手に入れることができる証拠として、Zoomの台頭を指摘しています。しかし、もし報じられていたマイクロソフトのZoomの買収提案が受け入れられていれば、それは実現しなかったでしょう。

 

マイクロソフトは今回のNuanceの買収決定を擁護するにあたって、単にNuanceとの既存のパートナーシップを拡大しているだけであると説明しています。またマイクロソフトの買収戦略は、同業他社のそれよりも影響の小さいものだと主張しています。

 

しかし、同社の影響が小さいのは、買収を試みていないからではありません。2008年にマイクロソフトは米ヤフーに450億ドルの買収提案をしています。2013年にノキアを70億ドルで買収してモバイルOS分野への参入を目指しましたが、失敗に終わっています。

 

さらにゲーム事業を強化するために2814年にマインクラフトを25億ドルで買収し、2020年はゼニマックス・メディア(ZeniMax Media)の買収に75億ドルを費やしました。そして2016年、マイクロソフトはLinkedInを270億ドルで買収し、ビジネス関連ソーシャルメディアのリーダーに君臨したのです。

 

皮肉なことに、マイクロソフトは反トラスト法訴訟で苦難を味わったあと、反トラスト法違反の密告者の役割をときおり引き受けてきました。2011年には実際に、グーグルが「市場での優位性を定着」させようとしているとして、欧州連合(EU)に提訴しています。

 

グーグルに対する提訴はのちに取り下げられましたが、マイクロソフト社長のブラッド・スミスは2020年、今度はアップルが“門番”としての立場を利用して開発者に高額の料金を請求していることを批判しました。スミスはまた、米連邦下院委員会が他の巨大テック企業に関する報告書をまとめた際に、調査官に概要説明をしています。

 

さらにマイクロソフトは、アマゾンが米政府から「JEDI(ジェダイ)」と呼ばれる100億ドルのクラウド契約を獲得する可能性があると判明したとき、この取引は1社の企業に与えるには報酬が大きすぎると抗議しました。

 

ところが、トランプ政権下の国防総省がアマゾンとの契約を退けて代わりにマイクロソフトと契約すると、マイクロソフト関係者は突然、1社がこのすべてを請け負うことが理にかなっていると考えを改めたようなのです。

 

しかし、規制当局と国会議員たちが巨大テック企業に対する大幅な規制を求めている現在、マイクロソフトのナデラとスミスは自分たちの目論見がうまく行き過ぎたことに困惑しているかもしれません。巨大テック企業を押さえ込むという大胆なアイデアが、政府から次々と提案されているからです。

 

2021年4月12日(米国時間)には上院議員のジョシュ・ホーリー(ミズーリ州選出)が、「支配的なデジタル企業」を糾弾する法案を提出しています。巨大テック企業に許される買収は、わずか100万ドル以下に制限され、Nuanceのような企業を買収することなど不可能になるわけです。

 

ホーリーの法案が可決されれば、単純なアクイ・ハイヤー(買収による人材獲得)さえも阻止され、巨大テック企業による買収がセーフティネットであるスタートアップビジネスは混乱に陥ってしまうでしょう。上院議員のエイミー・クロブシャー(ミネソタ州選出)が提案したようなそこまで極端ではない他の提案であったとしても、マイクロソフトを含む巨大テック企業には足かせとなってしまうはずです。

 

これまでのところマイクロソフトは、他の巨大テック企業に向けられてきたような厳しい追及を免れてきました。その理由のひとつとして、同社がLinkedInを所有するにもかかわらず、超党派の懸案事項である言論の自由を巡る論争に巻き込まれずに済んできた点が挙げられます。

 

しかし、その状況はすぐに変わってしまうかもしれません。マイクロソフトは2020年になってTikTokの買収を試み、またPinterestの買収を試みたとも報じられています。さらに注目の音声ソーシャルネットワークであるDiscordの買収を検討中であると噂されています。Discordは残念なことに、ヴァージニア州シャーロッツヴィルで開かれた白人至上主義者の集会の計画支援に使われたことで知られています。

 

いつになるか不明ですが、次に議会で証言させるべく巨大テック企業のCEOを集めるときは、マイクロソフトのナデラにも参加してもらうべきかもしれません。マイクロソフトは競争力と影響力の面において、間違いなく四騎士に匹敵するからです。

 

国会議員たちは、四騎士ほど明確な違反をマイクロソフトが犯しているとはまだ立証できてはいません。それでも、甚大な被害をもたらしたSolarWindsのハッキング事件においてマイクロソフトのソフトウェアが果たした役割をはじめ、質問すべきことはいくつもあります。

 

もしナデラが出席を渋る場合は、公聴会に「Microsoft Teams」を使うという条件を、委員会からナデラに提示してみたらどうでしょうか・・・

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