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情報

面白くもウザくも 各地に増加中の“3D広告”は世界で流行?

 

 

今や東京の街でも、3D街頭ビジョンの野外広告があちこちで観られるようになってきています。

 

その代表例ともいえるのが、新宿駅東口駅前広場の前に位置する「クロス新宿ビジョン」です。株式会社マイクロアドデジタルサイネージと株式会社ユニカが共同運営するこの150平方メートル級の湾曲ディスプレイに、3Dの“巨大猫”が突如として現れました。

 

2021年7月12日から本放映が開始されているこの“巨大猫”は、前述の2社に「クロス新宿ビジョン」の委託を行った株式会社クロススペースによって企画されました。クロススペースはこの“巨大猫”について、計画当初から大型ビジョンの新たな活用方法を検討テーマとして掲げていて、ちょうど中国やマレーシアの3D街頭ビジョンが話題になっていたことなどから今回の“巨大猫”ビジョンの制作に取り掛かったといいます。

 

“渋谷のハチ公、新宿の巨大猫”を目指しているという今回の“巨大猫”3D広告ですが、海外、特にアジア圏では、より大規模な3D広告がすでに展開され始めているのです。

 

2020年10月上旬には、中国成都市のショッピングモール「成都太古里」に、肉眼で観られる大型の3Dビジョンが登場しました。「円盤の形をした大型の宇宙船が帰還して、3Dビジョンが描く宇宙ステーションのような場所に終航する様子」、「長方形のビジョンの中で苛立っているオスのライオンが、ガラスを破って大通りに飛び降りる様子」など、インパクトの大きい映像ばかり。中国でもまだ珍しいようで、大勢の人がカメラを構えている図がTikTokなどにもアップされています。

 

この3D街頭ビジョンを設置した野外LED広告の会社「聯建光電」は、3D街頭ビジョンの集客力は高く、投資効果は通常の野外広告の3倍以上にもなるといいます。

 

裸眼で立体的に見えるように二面の画面をシームレスに繋ぎ合わせ、製造は8Kを使用しています。この3D街頭ビジョンは、宇宙船やライオンといった映像だけでなく、フード製品などしっかり広告的な内容のものもすでに放送されているようで、SNSには通行人が物珍しそうにカメラを構えている様子がアップされています。特に、夜になると3D街頭ビジョンのリアルさが増すといいます。

 

マレーシアの首都・クアラルンプールを代表する繁華街エリアのブキッ・ビンタン(Bukit Bintang)。この繁華街を見下ろす「パビリオン・エリート」の巨大スクリーンには、黄金に塗られた雄牛がコロナウイルスに向かって突進し、ガラスの檻もろとも粉々にする3Dの映像が映し出されています(黄金の雄牛の3D映像は2021年3月で終了)。

 

この3D街頭ビジョンの設置を手がけた「パビリオン・クアラルンプール」の最高責任者ダトゥク・ジョイス・ヤップ氏は、「アイデア出しに1ヶ月、コンテンツの制作には10日間を要した」と話しています。

 

また、最初は一時間ごとの上映を予定していたところ、大きな反響を受けて3~5分ごとに切り替えたといいます。上を見上げると「新型コロナウイルスに立ち向かう黄金の雄牛が飛び出してくる」という、単なる広告を超えた力強いメッセージを持つこの3D街頭ビジョンは、新型コロナウイルスで俯いて歩きがちな通行者たちからも賞賛を浴びたようです。

 

SHINeeや少女時代、NCTやaespaなどの人気K-POPグループが在籍する韓国の大手芸能事務所・SMエンターテインメント(以下、SMエンタ)。そんなSMファンにとって“聖地”と言われていたのが、会社が直接運営を行い、SMエンタ所属のアーティストのグッズが売られている「SMTOWN@coexartium」です。

 

この箱型広告は中国の“宇宙船”や新宿の“巨大猫”と違って、徹底した3D効果を追求したものではないものの、反対に「奥行き」に焦点を当てた映像になっています。「What’s On Your Bucket List?」のメッセージとともにさまざまなおもちゃが箱型ビジョンに現れては消えていく様子も、可愛らしくて印象的です。

 

残念ながら、この広告があった「SMTOWN@coexartium」は2020年5月に営業を終了してしまいました。しかし、じきに新店舗「SMTOWN@CHANGWON」が元の2倍のサイズで営業を再開するといいます。

 

昨今のSMエンタ所属アーティストの猛烈な人気および経済力を鑑みると、「SMTOWN@CHANGWON」も建物のサイズだけでなく、外観も元の店舗以上の2倍以上になるのかもしれません。

 

 

テクノロジーの力で野外広告が進歩して、インパクトや面白みが増すのはとてもワクワクすることです。3D広告ビジョンも、新しい広告の形としてこれからいろんな国で展開されていくのかもしれません。

 

しかし、3D広告のような通行人の目に強く訴えかけるものは、内容一つで「面白く」も「ウザく」もなってしまいます。インパクトだけに取り憑かれた3D広告を作ってしまえば、その街頭ビジョンが街の雰囲気全体を壊しかねません。

 

人々が気付く位置にあるからこそ、相手を感動させたり納得させるような自然な広告であるべきだし、そこまででなくとも「良い印象を残すこと」には十分配慮して3D広告を作る必要が出てきます。

 

また、3Dという媒体には常に、3Dにする意義が問われるかもしれません。わざわざ3Dにするまでもない動画を立体的な広告にしたところで、面白くもなんともなりません。

 

『巨大猫』は、具体的に何かを宣伝するわけでもなく、ただ猫が新宿の大きなビジョンからゆったりと通行人を見下ろすだけの簡単な3D動画であったことが功を奏し、通行人が撮った動画は世界中で拡散され、結果的に企業の知名度を上げることにもつながりました。

 

もし、この『巨大猫』を受けてこれから東京の街にも3Dの野外広告が増えていくとした時、人々の気持ちがゲンナリするような内容を、わざわざ飛び出してきて強く訴えるようなことは、やはりあってほしくありません。

 

人々がいいアイデアに驚いて、単純にハッピーになれる!そんな3D広告が増えていくといいですよね😃

 

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