「そして男は時計を捨てた・・・」にようこそ!

 

このブログサイトは、みなさんの知識や情報、その他のことを入手するお手伝いをするブログサイトです。

 

テ-マを設けずに、さまざまな事柄を書いていきます。ごくまれに私的なことも織り混ぜていこうと思います。

 

ぜひ、このブログを活用していただけたら、うれしく思います。ただし、このブログには画像は一切ありません。文章のみのブログになっています。

 

毎日記事を更新していきます。土、日は更新は多めとなります。

 

「そして男は時計を捨てた・・・」を今後も末長くご愛読ください😉 by ひとり編集長




映画

危険な恋とニューヨークへと誘われて・・・「恋におちて」

既婚者同士が恋に落ちたらどうなってしまうのでしょうか?きっと双方の生活は破壊され、2人は大きな代償を支払うことになるでしょう・・・今までも描かれ過ぎてきたこんな物語を、もし凡庸な演出と演技でなぞったならば、それは単なる不倫ドラマとして、観客の好奇心を一瞬だけ惹きつけて、映画の戸棚に仕舞われるだけでしょうね。

 

映画『恋におちて』(84)はそんな運命を免れた、このジャンルでは珍しい作品といえます。設定上のテーマは不倫であることに違いはありませんが、人間の心理を丁寧に文字に起こしたマイケル・クリストファーの脚本と、ニョーヨーク・ロケをふんだんに盛り込んだウール・グロスバードの演出とが相まって、大人の映画ファンに長く愛される1編となったのです。

 

映画が公開された1985年には、これにインスパイアされたドラマ『金曜日の妻たちへ3 恋におちて』が放送され、高視聴率を獲得しました。主題歌”恋におちて-Fall in Love”も大ヒットし、劇中には、映画と同じ通勤電車のシーンが再現され、話題になりました。

 

物語はいたってシンプルです。そこはクリスマス・イブで賑わうニューヨークの5番街。書店の出口付近でぶつかった拍子に、互いに買った本を取り違えたまま、帰宅してしまったフランク(ロバート・デ・ニーロ)とモリー(メリル・ストリープ)。偶然、同じ電車に乗ってマンハッタンにある会社に通っていた2人は、必然的に再会し、電車の席に隣り合わせて出勤、駅のカフェでそれぞれの家族の話をしながら、急激に親しくなっていきます。

 

夫や妻からは得られない安らぎとときめきを、2人とも相手から感じ取っていたのかもしれません。ある日、病床にある父に命の危険が訪れた時、モリーはとっさに夫ではなくフランクに連絡を取ってしまいます。そんな関係が怖くなったモリーは、もう会わないと心に決め、それをフランクに告げますが、フランクはいつものようにグランド・セントラル駅で待ち合わせようと返しました。

 

しかし、彼は仕事に手間取り、約束の時間に遅刻してしまいます。諦めかけたその時、目の前に笑顔のモリーが現れます。フランクは衝動を抑えきれず、柱の陰にモリーを連れて行き、激しいくちづけを交わします。その時の2人は、関係の行く末を想像する余裕などなかったのです。

 

フランクには冷静で信じられる妻と育ち盛りの男の子が2人います。職場では、破綻した結婚を修正しないまま引きずる同僚のエド(ハーヴェイ・カイテル)が、モリーと出会ってからのフランクに微妙な影響を与え始めます。一方モリーは、医師の夫との結婚生活はうまくいっておらず、友人のキャリアーウーマン、イザベル(ダイアン・ウィースト)も、夫婦関係は破綻し若い男たちとの奔放な関係を楽しんでいます。

 

この否が応でも危険を予感させるキャラクターの配置が絶妙です。そして、最初は偶然の出会いと再会によって徐々にヒートアップしていくフランクとモリーの関係が、勢いで一気に燃え上がるかと思えば、一転、良識に目覚めて平熱に戻り、その後、その反動でさらに熱を帯びていく・・・この緩急のつけ方も、観客を思わず前のめりにさせる脚本の妙と言えるのかもしれません。

 

恋愛心理に関する著書が多いアメリカの心理学者ドロシー・テノフは、『恋におちて』について、「恋する男女が中毒症状に陥った状況を繊細に描いている」と評価しています。また、脚本を担当したクリストファーは、「人は誰でも恋に落ちることは素晴らしいと考えているけれど、同時に、それは時として破壊的な行為であることを知らなければならない」とコメントしています。

 

その言葉通り、恋におちた男女がロマンチックな感情に取り憑かれ、流され、やがて双方の人生を破滅へ追いやろうとするプロセスを、安易な省略や観念的な描写を一切用いることなく、最後まで正確に描いているところが本作の魅力なのです。

 

本作の成功を可能にさせたのは、ロバート・デ・ニーロとメリル・ストリープの演技であることは言うまでもありません。『ローズ』(79)や『マルコムX』(92)等で知られるプロデューサーのマーヴィン・ワースは、普通の男の日常を正しく演じられるという理由から、デニーロをフランク役に抜擢しました。そして、そのデニーロがモリー役に希望したのは、『ディア・ハンター』(78)以来、何らかの形で再共演を模索していたストリープだったといいます。

デニーロのラブコールに対し、「2人とも本物の何かを模索していた」とストリープが応じ、クランクイン前から綿密な準備がスタートしました。それらは、主にデニーロ主導によるものでした。

まず、各キャラクターの名刺をわざわざスタッフに作らせて、俳優たちに役の背景をよりリアルに擦り込ませました。脚本家のクリストファーに、彼と妻との日常会話を文字に起こしてもらい、夫婦のリアルな会話の参考としました。また、撮影前の2ヶ月間は、デニーロとストリープが週一ペースで会い、役について話し合いを持ち、脚本の細部に手直しが加えられました。こうして、細部にまで神経が行き届いた、説得力のあるストーリーが構築されていったのです。

この映画のもう一つの魅力は、舞台になるニューヨークです。ティファニーからトランプタワーまでの5番街の喧騒、物語が劇的に変化するグランド・セントラル駅、モリーとイザベルがそぞろ歩くアーヴィング・プレイス、フランクとモリーが一線を超えそうになるグリニッジヴィレッジのバンク・ストリート・・・中でも、2人が出会う運命の場所である書店のリゾーリは、映画を介してすっかり有名になり、ニューヨーク観光の人気スポットになりました。

5番街と6丁目の角、5th AVE 712stに位置するリゾーリは、雑誌から専門書、アート系まで揃えたニューヨーク・カルチャーの代名詞として、1964年の創業以来ニューヨーカーたちに親しまれてきました。特に、5番街側と6丁目側の両方に入口があるのが特徴でした。しかしその後、書店は57丁目のWest57 th Streetに移転され、2015年以降はブロードウェーで開業しています。

破滅的な恋の行方を描いた「恋におちて」は、ニューヨークが映画の舞台として最も光り輝いていた”ニューヨーク映画”の代表作でもあります。

映画でニューヨークを訪ねてみたい方、この映画こそが絶好の1作ですよ👍ぜひ!


恋におちて [ ロバート・デ・ニーロ ]

ABOUT ME
makoto
「そして男は時計を捨てた・・・」を運営している、ひとり編集長のmakotoです。 「そして男は時計を捨てた・・・」を活用して知識や情報を深めていきましょう!新聞を読むような感じでペラペラめくってみて下さい。 そして、自分の大好きな方に知識をシェアしていってください👍 ひとり編集長と情報の冒険をしましょう😃どうぞよろしくお願いします👍