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世界

ヴァールオーマット? ドイツの選挙が静かすぎる理由

ドイツの選挙では不思議なことに候補者が街頭で政策をマイクでアピールする風景をみることはありません。ならば、ドイツ国民はどのように候補者を選んでいるのでしょうか?

 

ドイツ連邦議会選挙まであと2ヶ月弱・・・この選挙は、2021年9月26日に投票が行われる予定で、ドイツ連邦共和国の立法府であるドイツ連邦議会の構成議員が選出されます。それと同時に、現職のメルケル首相が、政界を引退する予定のため、次期ドイツの首相が決まるとても重要な選挙となるのです。

 

選挙戦はすでに始まっています。特に、首相候補のアルミン・ラシェットを擁するドイツ最大与党のキリスト教民主・社会同盟(CDU/CSU)と、アナレーナ・ベアボックを擁する緑の党は、選挙で最強の政党になるために有権者の支持を得ようと接戦を繰り広げています。

 

しかし、政権交代が行われるかどうか、誰が首相になるかは、他の政党、ドイツ社会民主党(SPD)、自由民主党(FDP)、左翼党、ドイツのための選択肢(AfD)などの結果にも左右されるのです。

 

今回の連邦議会選挙の投票用紙に載っているのは、すでに連邦議会に議員がいる政党だけではありません。CDU/CSU、SPD、左翼党、緑の党、FDP、AfDに加え、46の政党が連邦選挙委員会によって認められているのです。

 

多数の政党と選挙プログラムを考慮すると、有権者の意思決定は容易ではありません。そこで、連邦市民教育庁の提供するオンライン投票支援ツール「Wahl-O-Mat」(ヴァールオーマット)が有権者をサポートします。有権者は、国の無料サービスによって、連邦議会選挙で争点となっている関連する課題に対する各政党の立場を知ることができるのです。

 

この数年、ドイツの選挙は、日本のような候補者を乗せ、爆音を鳴らす選挙カーが街を行き交うことも、候補者が街頭で政策をマイクでアピールする風景もみることはありません。

 

街には政党や地域の候補者のポスターが控えめに貼られ、大手新聞やテレビが選挙の特集を組む程度です。その中で、有権者はどのように候補者を選ぶのか?日本に比べ、選挙が静かすぎることから、投票権を持たない日本人にとって、ドイツの選挙は小さな謎です。

 

しかし、ドイツの選挙で今や不可欠となっているヴァールオーマットという投票支援ツールの存在を知れば、この謎は解けていきます。

 

ヴァールオーマットは、ドイツ連邦政治教育センターが開発したウェブ上の投票支援アプリのことです。つまり国が開発したボートマッチ(有権者が自分の考えに近い政党や候補者を知ることができる投票補助サービス)なのです。

 

どの政党が自分の立場に最も近いかを試すことができるヴァールオーマットは、選挙の争点に関する38項目の質問にイエスかノー、あるいは中立という選択肢が用意され、順に答えていくと、各政党の主張と自分の意見の一致度が表示されます。

 

特に若いインターネット世代には親和性があり、若者たちの投票率を高めている効果もあります。このようにして、投票者は、政党や候補者との共通点と相違点を確認した上で、自らの意思決定を行うことができるのです。

 

2021年の連邦選挙におけるヴァールオーマットは、投票前の9月2日に公開され、異なる分野に38の政治的声明が表示されます。これらのテーマは、選挙キャンペーンや政党・政治団体のプログラムの中で重要な役割を果たしています。これらには、教育、健康、社会、防衛、気候政策などが含まれ、有権者はその文章に対して「賛成」「反対」「どちらでもない」のいずれかを選択することになります。

 

自分にとって特に重要な問題であれば、政党の表明に重みをつけることができ、そして、ヴァールオーマットの結果は、自分の意見と政党当事者の立場の一致を示すパーセンテージ値となり、各政党のポジションを選択・比較することができます。

 

例えば、連邦議会に参加している政党を比較して、どの政党が再選される可能性が高いかも調べることができるのです。それらをすべて選択して、自分に最も適した政党を見つけることもできます。ヴァールオーマットでは、連邦議会選挙に立候補している政党の簡単なプロフィールも紹介しています。

 

ドイツの選挙制度は、小選挙区比例代表併用制で、満18歳以上のドイツ国民に選挙権があり、投票は、選挙区候補投票と政党名簿投票の二票制です。

 

当選者の決定方法は、小選挙区は最多得票を得た候補が当選し、全体議席は政党名簿投票の結果によって決められます。少数政党乱立防止の観点から、政党名簿投票で有効得票総数の5%以上を獲得したか、小選挙区で3名以上の当選者を出したか、いずれかの要件を満たした政党にのみに議席が配分されるのです。

 

日本でも選挙が近づくたびに、政党や候補者の主張と有権者とのマッチングを提供するボートマッチが大手新聞社などから提供されていますが、日本での利用度とドイツのヴァールオーマットの利用度、認知度には歴然とした差があるのです。

 

ヴァールオーマットは、2002年の連邦議会選挙のオンラインツールとして初めて登場しました。その直後、ドイツの人気司会者ハラルト・シュミットのTV番組で、ヴァールオーマットが紹介され、これをどう使えば、どう役立つのかという見事なプレゼンテーションにより、ドイツ国民の意識のレベルが急上昇しました。

 

その後、SpiegelとSternというドイツの大手メディアに使用権が付与され、2002年9月21日の連邦選挙の日までに、最初のヴァールオーマットは360万人に利用されたのです。

 

それ以来、2005年、2009年、2013年、2017年の連邦議会選挙、2004年、2009年、2014年、2019年の欧州議会選挙、および多数の州選挙で使用されてきました。

 

合計で、このツールは50回以上の選挙で利用され、2009年には670万人以上、2013年には1,330万人のユーザーが利用し、ヴァールオーマットの暫定的な最高値に達したのです。これらの記録は、2017年の連邦選挙において、1,570万人の利用によって更新され、人口8,300万人のドイツで、政府がリリースしたアプリが、これほど国民に利用された例は他にありません。

 

一方、ベルリンを拠点とするドイツのIT業界団体であるBitkomは、来たる連邦選挙の直前に、デジタル政策の課題にのみ焦点を当てたヴァールオーマット・レプリカを発表することを表明しました。

 

これはBitkomatと呼ばれ、「政治と行政」、「経済と仕事」、「日常生活とデジタルライフ」、「教育と参加」、「セキュリティとデータ保護」、「インフラストラクチャと主権」の分野から29のデジタル政策について、有権者の立場をたずねることになります。

 

ヴァールオーマットと同様に、政策に対して同意、反対、または中立の評価をすることができ、一巡した質問の後には、デジタル政策に関してどの政党に最も賛同するかを確認することができるのです。

 

1985年、アムステルダムの公共・政治問題研究所(Instituut voor Publiek en Politiek: IPP)は、オランダの政治教育の手段として「StemWijzer」を開発しました。当初は紙のバージョンとして、後にフロッピーディスクのデジタル形式で発表され、1998年以降はインターネット上で動作し、さまざまな選挙に向けてオンラインで公開されてきました。

 

2017年に2度の選挙が行われた時には、約700万人に利用され、オランダの人口が1,720万人であることを考えると、これは傑出した数字です。

 

オランダで最も成功した投票アドバイス・アプリケーション(VAA)であるStemWijzerに加えて、同等のプロジェクトが他の多くの国でも見られるようになってきました。VAAは、ヨーロッパのほぼすべての国で確立されており、1つの国に複数のツールが存在する場合もあります。ヨーロッパの国境を越えた選挙のために定期的に提供されているさまざまなツールもあります。さらに、この種のツールは、北アメリカと南アメリカの国々だけでなく、アフリカやアジアのいくつかの国々でも見つけることができます。

 

いずれにしても、こうした投票支援ツールを有権者がどれだけ真剣に利用してくれるかが問われています。ドイツのヴァールオーマットの最初のアプローチは、しばしば遊び心のあるツールでした。それが次のステップで、有権者の真剣な議論につながりました。これを可能にしたのは、政党の真摯なオファーの内容とデザインが重視されたことです。ユーザーフレンドリーで使いやすいインターフェースは不可欠だったのです。

 

ドイツや欧州選挙で標準化された投票支援ツールの成功実績を考えると、投票に行かない有権者を真剣に政治に振り向かせるには、民主主義を守るための努力が必要です。これには民間だけでなく、ドイツのように、国の責任で投票支援を実行することが求められているのかもしれません。

 

いずれにせよ、ドイツの選挙は静かに行われるのです・・・

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