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世界

ロシア産のスパークリングが「シャンパン」に!?その真相とは!

2021年7月に、ロシアがロシア産のスパークリングワインだけに「シャンパン」を名乗ることを認め、シャンパーニュのそれはスパークリングワインと名乗るように!という法律を発効した、という報道がなされました。

 

これだけ聞くと、「え?」となるのが、普通でしょう。実際、SNSではそんな反応が大半だったのです。

 

シャンパン、ないしシャンパーニュは、シャンパーニュ地方で造られたスパークリングワインのことです。しかもこれが、単にシャンパーニュで造ればそれでいい・・・というほど気楽な肩書ではないことはワインの世界では有名です。

 

使用可能なブドウ品種、ブドウ樹の剪定方法、1ヘクタールあたりの収穫量、圧搾で得る果汁の量、収穫時の最低潜在アルコール度数、瓶内二次発酵と瓶内熟成期間といった、品質に関わる様々な規則があって、それを守らないとシャンパーニュと名乗ることはできません。さらに、造り手がそれ以上に厳格なルールを自らに課している場合がかなり多いのです。

 

そんな、ハードルが高いシャンパーニュですが、セロテープは商品名で、セロハンテープが一般名詞、というような雰囲気で、スパークリングワインの代名詞的存在でもあることから、これまでも他産地のスパークリングワインや、ワインに限らず、食べ物とか化粧品とか団体の名前とかに、なんらかシャンパーニュという名称が使用されたことは度々あって、その都度、シャンパーニュはそれを変更するよう求めてきたのです。

 

そんなシャンパーニュ相手に、今回のロシアの話・・・心中は穏やかではありません😢

 

この新法は、2021年7月2日、プーチン大統領が署名しました。

ロシアのスパークリングワイン生産者は、ロシア語でシャンパンを意味する「シャンパンスコエ」(Shampanskoye)と自分のワインに表示できますが、シャンパーニュを含む外国のスパークリングワイン生産者は、ボトルの裏にキリル文字でスパークリングワインと表示しなければいけない、というのがその内容です。シャンパーニュの場合、表ラベルに「Champagne」というアルファベット表記があるのは問題ないのです。

 

不思議なのは、なぜ、ロシアがこんなケンカを売るようなことをしたのかがよくわからないところです・・・。シャンパーニュの先程のルールは原産地呼称とよばれるもので、この原産地呼称制度は、世界120カ国で守られています。これに対して挑戦的な行為をおこなうのであれば、問題はシャンパーニュだけにとどまらず、EU・ロシア間の摩擦に発展する可能性すらあるのです。

 

実際、この新法を受けて、シャンパーニュ地方のワイン生産同業組織であるシャンパーニュ委員会(CVIC)は、「容認しがたい・・・」という、実に当然な声明を出し、法の見直しを求めてロビー活動を開始しました。そして、シャンパーニュのロシアへの出荷停止を決めたのです。

 

貿易に混乱をもたらしたくないため、とのことで、2021年9月15日にシャンパーニュ側がひとまず折れるような形で、シャンパーニュのロシアへの出荷停止措置は解除されましたが、だからといってシャンパーニュは納得していません😤

 

この出荷停止を、2021年はシャンパーニュが記録的に売れているから年末の売りどきを逃したくないため、と見る筋もありはしますが、シャンパーニュにとって、ロシアの経済的なインパクトはそんなに大きくないとおもわれます。2020年のシャンパーニュのロシア向け輸出額は3503万ユーロで、世界で15番目の市場です。出荷量はシャンパーニュ全体の2.4億本のうちの188万本にすぎず、0.8%程度だからです。

 

しかし、ロシアの狙いはそこで、この混乱に乗じて、ロシア国内のスパークリングワインを成長させるぞ!ということなのかというと、どうもその線も薄そうです😅

 

ロシア産のスパークリングワインは1本千円代がメインで、品質的にも価格的にも、世界的に1本数千円はするスパークリングワインの王者とすぐさま競合するようなものではないといいます。

 

ワインの世界にはちょっと似たような話でアメリカの例があります。アメリカでは一部の生産者が、自分たちのワインに、シャンパーニュ、シャブリ、シェリーを使える場合があります。アメリカではこの3原産地が一般名詞的に使われていた過去があるので、2006年3月10日より以前に、自社製品にシャンパーニュ、シャブリ、シェリーを使っていた場合は、以降もそのまま使っていいとしています。

 

しかし、アメリカはすでにワイン産地として世界最高峰です。虎の威を借る必要などなく、逆に、シャブリと書かれたアメリカ産白ワインなど目にしたら「この生産者はワインのことを知らないんだな・・・」と思って、飲む気がなくなりはしないでしょうか。

 

アメリカのシャンパーニュ、などというものを、今日そうそう見かけないように、ロシアのシャンパーニュなんていわれても消費者からしたら胡散臭いだけだと思われてしまいそう・・・

 

謎めく新法だと思いませんか???

 

このニュースを聞いたときに、シャンパーニュの2つの生産者の話が頭に浮かんできます。

 

まず1つが、ルイ・ロデレールです。ルイ・ロデレールといえば、シャンパーニュ界最高級の「クリスタル」で有名ですが、このシャンパーニュがクリスタルという名前のとおり、透き通った、そして、底がくぼんでいないボトルに入っていることにはロシアが関係しているのです。

 

クリスタルは、1876年にルイ・ロデレールのファンだったロシア皇帝アレクサンドル2世(在位:1855年3月2日から1881年3月13日)が特注した、皇帝のために造られたシャンパーニュです。この皇帝が、1880年2月に、食堂爆破事件で暗殺されかかってしまい、1881年3月には、馬車に爆弾を投げつけられて暗殺されてしまいます。

 

そんな命を狙われがちな顧客のために、ボトルに爆弾などといった武器を隠せないように、クリスタルは、独特のボトル形状を採用して、いまもそれを続けている、といわれているのです。

 

もう1つがヴーヴ・クリコです。ヴーヴ・クリコという社名は、寡婦クリコという意味です。1772年にフィリップ・クリコという人がランスに設立した「クリコ」が現在のヴーヴ・クリコの前身で、フィリップの子、フランソワは、バルブ・ニコル・ポンサルダンという女性と結婚しますが、このバルブ・ニコル・ポンサルダンこそがヴーヴ・クリコ本人です。

 

結婚の6年後の1805年に、フランソワは死んでしまいます。するとクリコ未亡人、フランソワが情熱を注いだシャンパーニュ造りと経営を引き継いでしまうのです。この時代に20代の女性経営者、というのがそもそもなかなかに珍しいというか大胆なことなのですが、このクリコ夫人、クリコ夫人なくして今のシャンパーニュなし、といえるほどの天才で、シャンパーニュに数々の革新をもたらしています。いまも、語り継がれているクリコ夫人伝説の一つに、ロシアが関係するものがあります。

 

1728年、時のフランス王ルイ15世は、新時代のフランスの飲み物としてシャンパーニュ地方の発泡するワインに注目しました。これを優遇します。そして、この国王お墨付きのフランス発新飲料は、ドイツ、スペイン、ベルギー、ロシアと、国外の上流階級にも広がっていきましたが、シャンパーニュを海外で有名にした立役者として、名前が挙がるのが、国王の信頼篤かった現在のモエ・エ・シャンドンとして知られる会社の創業者、クロード・モエ、そしてシャンパーニュの造り手で初めて海外セールス部隊を編成したフランソワ・クリコです。

 

特に、クリコはロシアの皇帝や貴族からの支持が篤かったのです。

 

しかし、1789年にフランス革命、そして革命後の混乱を経て1804年に、皇帝ナポレオン・ボナパルトが即位すると、ロシアが遠くなっていきます。フランス皇帝にモエが愛される一方、最大の顧客がロシアだったクリコ夫人のほうは、フランスがヨーロッパ中にケンカをふっかけるだけでも大迷惑なのに、港湾封鎖まで起きて、海路が停滞・・・

 

さらにはアレクサンドル2世の父親の兄で、当時のロシア皇帝だったアレクサンドル1世がフランス製品を禁輸にしたおかげで、経営が大ピンチになってしまいます。

 

ナポレオンがエルバ島に流された1814年。禁輸措置がまだ解かれていないなか、クリコ夫人はロシア輸出を強行しました。オランダの輸送船をチャーターし、カリーニングラードとサンクトペテルブルクにそれぞれ1万本ほどの自社シャンパーニュを輸出したといいます。見つかったらいろいろ危険なこの作戦、なんとかうまくいきました。

 

クリコ夫人のシャンパーニュは即完売したといい、その後、ロシアの王侯貴族のヴーヴ・クリコ愛も再燃しました。ヴーヴ・クリコはピンチを乗り越えたどころか、ロシアに支えられ、大いに成長したのです。

 

これらはいずれも、いまから100年以上も前の話です。その後、シャンパーニュにも、ロシアにも色々とあったので、現在、ロシア市場は確かに、シャンパーニュにとって、そこまで重要な市場ではないかもしれません。

 

しかし、じゃあそれで、シャンパーニュの造り手たちが、ロシアによって愛され、支えられた歴史を忘れているのか?というと、そんなことはないのです。

 

だから、なにもシャンパーニュにケンカを売ることはないじゃない・・・と😉実際、シャンパーニュは美味しいよ😚ほんと飲んでみて!イヤ、ほんとに✌

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