「そして男は時計を捨てた・・・」にようこそ!

このブログサイトは、みなさんの知識や情報、その他のことを入手するお手伝いをするブログサイトです。

テ-マを設けずに、さまざまな事柄を書いていきます。ごくまれに私的なことも織り混ぜていこうと思います。

ぜひ、このブログを活用していただけたら、うれしく思います。ただし、このブログには画像は一切ありません。文章のみのミニマムなブログになっています。文章のみでみなさんに伝えていきます。

毎日1~2記事を更新していきます。土、日は更新は多めとなります。

「そして男は時計を捨てた・・・」を今後も末長くご愛読ください😉




情報

パン屋の”当たり前”をくつがえす「時をとめるベーカリー」

パン屋の楽しみといえば、焼き立ての匂いが充満する空間で、おいしそうにテカテカと光るパンを選ぶことです。しかし、このパン屋は何やら違うようです・・・そこは横浜市にある瀬谷駅直結のパン屋。

 

あれ?焼き立てパンのいい匂いが鼻腔をくすぐって・・・こないんだけど? あれ?店内を見渡しても店員らしき人はいるものの、肝心のパンが1つも見当たらないんだけど?あるのはゴウゴウと音をたてる大型の冷凍ケースだけなんだけど?😅

 

もちろん入る店を間違えたわけではありません。ケースの中を覗くと大量の冷凍パンが置かれてあります。店の名前は「時をとめるベーカリー」。

 

神奈川県や東京都のパン屋のパンを中心に大阪府やスペイン、ドイツなどの海外パンも仕入れて販売する「パンのセレクトショップ」です。2021年9月にオープンし、現在は、約50のパン屋と提携していて、陳列商品数は約450種類に上ります。

 

桁違いの商品数を始め、この店はパン屋の「当たり前」が全く通用しないのがユニ-ク。通常のパン屋のピークタイムは朝。しかし、この店は昼と帰宅ラッシュの午後6時ごろがピーク!むしろ朝の来店客は多くないといいます。

 

また、どのパン屋でも取り扱っている食パンやバケットがほとんど置かれていないのです。お客さんの入りに合わせて続々と焼き立てが追加される通常のパン屋と異なり、在庫がなくなればその日に同じ商品が追加されることはないのです。そして、極めつきが冷凍パンです。

 

つまり、焼き立ては1つも売っていないのです。

 

パンは焼き立てがおいしいのに、そんなカチコチに冷凍したパンを買う人なんているのか?と思うかもしれませんが、通常のパン屋と同等の客入りに加え、客単価は300円ほど高く、まだオープンして約1カ月で、かなり好調な滑り出しだといいます。

 

冷凍パンを解凍すると、固くなったりパサついたりするイメージをありますが、実際に同店で販売するパンをオーブントースターで焼きなおしてみると、焼き立てのようなふんわりとした仕上がりになる不思議。

 

いったいどういう仕組みなのでしょうか?

 

450種類もの冷凍パンをおいしく提供できる秘密はこうです。昼過ぎに提携パン屋から届いたパンの袋をすぐに閉じて密閉状態にする作業が行われます。その後、袋閉じしたパンをマイナス30度の不凍液が入った冷凍機に入れて一気に冷凍するのです。

 

パンが乾燥していない状態で密閉状況を作り、すぐに冷凍することで、水分が逃げてパサつくのを防止できるのです。本来は肉や刺身の保存に使われてきた技術をパンに応用したのです。これでおいしさをキープしたまま提供することができるのです🙆。

 

それならば、家庭用の冷凍庫で凍らせればよくない?と思うかもしれませんが、所要時間の長さがネックになるのです。家庭用の冷凍庫を使うと完全に凍らせるのに3時間ほどかかります。一方、この冷凍機は20~30分で凍結できるため新鮮な状態を保つことができるのです。

 

しかし、「焼き立てパンの香り」や「多種多様なパンがずらっと並ぶ光景」などパン屋の魅力を取っ払ってしまったような味気のない店に見えてしまうと、今後消費者に根付いていくのでしょうか? これはオープンしたばかりだから物珍しさでお客が入っているのでは? という疑問も残ります。

 

時をとめるベーカリーは、これまでのパン屋のように香りや視覚など”五感で楽しむパン”を届けることは難しい。しかし、今までのパン屋では”仕方がない”と考えられてきた『ブラックな労働環境』と『廃棄によるフード・経営ロスの削減』を解決することはできます。

 

時をとめるベーカリーを立ち上げた、ハットコネクトの中島氏は新卒でリクルートに入社しました。求人広告の営業に従事したのち、同僚と2人で起業しました。ホームページ制作やWeb広告の代理店業を営むなかで、「給料は増えたけど、社会に大きな影響を与えられていない」というジレンマを抱えることになります。

 

中島氏は「ITの仕事は40、50代でもできます。今のうちに、もっと社会にインパクトが与えられる仕事がしたいと思うようになりました。マーケットが大きく、面白みがあり、最もきつい業界ってどこだろうと考えた時に思いついたのがパン屋だったんです」と話します。

 

パンの移動販売を運営するエッセングループに営業として入社後、すぐに業界が抱える2つの課題に直面することになります。

 

パンの移動販売という業態にも限界があると感じていた中島氏は販路開拓に奔走。実際に百貨店の開拓などを通して売り上げは伸びましたが、利益が伸びません。そこで、業界の根深すぎる2つの課題に気付くことになります。

 

販路拡大に伴い、発送費や販売員の人件費、パンの廃棄費用など「パンづくり以外のコスト」が発生すること。もう1つは、「パン職人のブラックな労働環境」です。

 

朝~昼のピークタイムに合わせて十分なパンを用意する必要性から、職人が働き始めるのは朝の2時。パンの賞味期限は翌日が限度。毎日がゼロからのスタートのため、1日でも休んでしまうと商売になりません。失敗できないのが、パン屋の現状です。

 

パンは日本人の主食として定着しているため需要が大きいです。一方で、パン屋の働き方は完全な労働集約型です。百貨店などで販売できるよう販路を拡大すればするほど、パン職人の労働はブラックになっていくのです。

 

このスタイルではいつか破綻してしまうと考え、立ち上げたのが「時をとめるベーカリー」の前身となるパンのセレクトショップ「HEART HAT」です。神奈川県内の50のパン屋のパンを集めた。横浜高島屋に2020年1月に催事として誕生し、2021年3月には常設店「カナガワ ベーカーズ ドック」としてリニューアルしました。

 

神奈川中からパンを集めることで、人件費や搬送費などを分配することができました。また、加盟パン屋は毎日店を開けなくても、ベーカーズ ドックにパンを卸すだけで収益を得られるようになりました。消費者は店に行けば神奈川中のパンを楽しむことができるという、今までにない特徴を打ち出すことで、店は大繁盛。入場制限を設けるほどだったといいます👍。

 

ベーカーズ ドックがあれば、パン業界の課題解決もでき、「時をとめるベーカリー」もいらないじゃないかと思われるかもしれませんが、パン業界はそんなにそんなに甘くないのです。加盟パン屋は収益を上げられるようになったものの、「売れ残り問題」と、加盟店が増えることによる「取引額の低下問題」が発生したのです。

 

カナガワ ベーカーズ ドックに並ぶパンは、一度ハットコネクトが全て買い取って販売しています。そのため、売れ残りは赤字となり、廃棄コストも発生します。また、店頭の陳列スペースは限られているため、パン屋を救済するために加盟店を増やすと、1店当たりの取引額が下がり、業界課題の根本的な解決につながらなくなってしまうのです。

 

「フードロス」「ブラックな労働環境の改善」「提携パン屋の取引額低下」これらの問題は、パンを冷凍するだけで本当に解決できるのでしょうか?

 

まずはフードロス問題です。「全国のパン屋の1日の廃棄量は生産量の10%弱といわれています。しかし、ロス問題は、パンを廃棄するという物理的なロスと、経営上のロスという2つの指標があると考えられます。例えば、100円のパンを閉店前セールで50円にして売り切ったとします。物理的なロスはゼロですが、経営上のロスが発生します。ゴミ箱にパンを捨てないからいいわけではなく、経営を圧迫していることは大きなダメージです。

 

パンをおいしい状態で冷凍することで、品質を保つことができ、割引販売も必要ありません。冷凍パンの賞味期限を測る実証実験では90日間の保存が可能と判明しました。これで、廃棄問題はおおむね解決です🙆。

 

そして、冷凍パンが広がっていくことが「ブラックな労働環境の改善」や「提携パン屋の取引額低下」の解決につながっていきます。

 

労働環境がブラックになる最大の理由は、通常のパン屋のピークタイムが「朝」という点にあります。午前7時、8時の開店と同時にお客が押し寄せるため、それまでに全種類のパンを用意しておく必要があるのです。しかし、冷凍パンが普及すれば「納品時間」の概念が消え去ります。納品後、冷凍して店頭に並べておけばお客が何時に来てもパンがある状態を保つことができます。朝の2時から働く必要がなくなり、労働問題から解放されるのです🙆。

 

また、「提携パン屋の取引額低下」の解決にもつながります。通常のパン屋では置けるスペースが限られていたものの、冷凍してしまえば、型崩れも気にせず冷凍ケースに詰め込むことができます。実際、時をとめるベーカリーの冷凍ケースにはあふれんばかりの冷凍パンが敷き詰められています。

 

商品から労働環境まで、パン屋の「当たり前」をくつがえしていく「時をとめるベーカリー」。お店の顔となるパンが、焼き立ての香りを漂わせながら出迎えてくれないのは少し寂しい気はしますが、この光景がこれからのパン屋の「当たり前」を作っていくのかもしれませんよ👍

ABOUT ME
makoto
「そして男は時計を捨てた・・・ひとり編集長の冒険」を運営している、ひとり編集長のmakotoです。 「そして男は時計を捨てた・・・」を活用して知識や情報を深めていきましょう!新聞を読むような感じでペラペラめくってみて下さい。 そして、自分の大好きな方に知識をシェアしていってください👍 ひとり編集長と情報の冒険をしましょう😃どうぞよろしくお願いします👍