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地域ニュース

スマホ置き換えで消えてゆく音声告知放送

京都府京丹波町は、町の暮らしに関わる情報を10年以上にわたって届けていた防災無線の役割を担う音声告知放送を、2021年7月末で終了しました。

 

情報化が加速する時代の流れに合わせ、新たにスマートフォンのアプリなどを活用し、受信環境の改善を図る狙いです。一方で、長年親しんできた放送の終了に、町民からは名残惜しさをにじませる声も上がっているのです。

 

ピアノを基調とした穏やかな音楽が、同町下山の田渕敬治さん(68)宅の居間に流れます。お悔やみ情報の放送が始まる合図です。田渕さんは飲み物を注ぐ手をふと止めて、告知端末機から流れる音声に耳を澄ませました。放送では、町内在住の高齢男性の訃報が知らされます・・・

 

「ああ、亡くなったんか。昔よう職場に来とった人や・・・」

 

音声告知放送は、災害や避難情報、お悔やみ情報などの暮らしに関わる情報を、同町ケーブルテレビ(CATV)の加入世帯向けに流していました。特に、お悔やみ情報を得る手段として町民から重宝されていて、音声が流れると耳を澄ますのは、人口が少なく、顔の分かるつながりが残る同町ならではの日常の風景だったのです。

 

合併前の旧3町でいち早く有線テレビ放送を取り入れた旧瑞穂町で2004年4月にスタート。合併後の2011年、CATV網の町全域への拡張に合わせ、旧丹波町と旧和知町域でも導入されました。2021年3月末時点で利用休止中を含む6551戸がCATVに加入していて、ほとんどが告知端末機を設置していました。

 

町は、2022年3月末までに行うCATVの民間移管に伴い、サービス内容が一部見直されることもあり、7月末で放送を終了することにしたのです。告知端末機での加入者間のIP電話や、FMラジオ、インターネットなどは引き続き利用可能で、今後、町が段階的に回収していきます。

 

町情報センターによると、端末機本体は1台あたり約3万円。町からの貸与品として加入者宅に設置されており「端末機の廃止は町の財政負担の軽減にもつながる」としています。

 

一方で、町は2021年4月1日から、独自の「京丹波あんしんアプリ」での情報配信を開始していて、音声告知放送が担っていた防災やお悔やみ情報の発信を引き継いでいます。町民には放送終了までにアプリをスマホなどにダウンロードして、居住地域の設定や受け取る情報を選択するよう促すなどして、スムーズな移行を目指しています。

 

町民はどう受け止めているのか?2018年7月の西日本豪雨で複数の住宅が浸水被害を受けた同町上乙見区の元区長竹内浩さん(66)は、3年前の水害を教訓に「命に関わる情報がすぐ手に入るのは重要」とアプリの導入を前向きにとらえています。

 

アプリなら、町民以外でもダウンロードすれば、情報が手に入ります。町外に住む子や孫がアプリを入れて連絡を取ることで1人暮らしの高齢者などに、本人が気付かない場合でも状況を伝えられるようになるのではと期待していますが・・・

 

一方で「毎朝流れていたラジオ体操が聞けなくなると思うとさみしいなあ・・・」との声もあります・・・

 

行政からの独自アプリによる情報配信は、丹波2市1町でも先駆的な取り組みでもあるようです。高齢者が多い同町だからこそ、そこに取り残されてしまう町民がないよう丁寧な説明が求められるようです。

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